現役、地方テレビ番組編集マンのドローマンです。
このブログ記事では、現在進行形でテレビ番組を編集をしている私が
「テレビ番組」と「YouTube動画」の違いを紐解き、読者の映像編集のステップアップとなるヒントになればと思い、ここに綴ります。
あくまで、「テレビ業界」における動画編集の極意であり、
映像表現は正解がない芸術的な分野の内容なので、参考として読んでいただけたらと思います。
今回解説するのは「テロップ」です。
YouTuberの方なら分かると思いますが、貼り付けが結構面倒臭いく、
できればやりたくない作業のはずです。
しかし、テロップには様々な種類があり、
ただ字幕として貼り付ければいいと言うことではなく、効果的に使うコツがあります。
そして、動画編集の手間をもっと省くことができます。
この記事では、“前編”ということでテロップを使う目的と種類を解説します。
“後編”では、テロップの種類ごとの使い方とコツを記述していきます!
テロップってそもそも必要ないもの。
まずは、「テロップ」の重要性をお伝えします!
そもそも、映像においてテロップは必要ではないものです。
映像と音さえあれば成り立つものなので、わざわざ入れなくても良いのです。
ではなぜ、テロップを入れるのでしょうか?
私は2種類の意味があると思っています。
1つ目は、視聴者に映像の伝えたいことをより「分かりやすくする」ため。
例えば、
インタビューの時、話し手のカクゼツがあまり良くない場合、
字幕で話し言葉を載せていたら聞いている視聴者に親切です。
また、難しい感じが並ぶ言葉や地名など、ナレーションだけでは伝えられない部分は、
やはり文字を見せた方が分かりやすいはずです。
文字を見せることによって見ている人への情報伝達が大きくなると言うことでしょう。
2つ目は、「演出」です。
例えば、出演者が「なんでだよ!!」と叫ぶシーンがあったとします。
映像と音声のみよりも、「なんでだよ!!」と言うテロップが、動いて出てきた方が確実に迫力があるはずです。
「映像に動きを与える」という部分もテロップの役目になるのです。
テロップの種類
実は、「テロップ」には様々な種類があります。
ほとんどの方が出演者の「話し言葉」いわゆる「字幕=テロップ」と思っているはずです。
間違いではないですが、もっとテロップをカテゴライズした認識をすると、
もっと編集が楽しくなり、もっと視聴者へ情報を伝えやすい使い方ができると思います。
細かく分けるとキリがないので、大きく分けて4種類がよく使われるテロップとして紹介します。
1. コメントフォロー
「コメントフォロー」とは人のしゃべりの字幕のことです。
テレビ業界でも呼び方は様々で、他にも「リップ(口に合わせたテロップだから?)」と呼ぶ人もいます。
動画内で一番貼る量が多く、一番視聴者が目にするテロップです。
2. 説明テロップ
「説明テロップ」は、「言葉じゃ伝えずらい。。」「収録した映像で内容をうまく説明できなかった。。」
という時に使えるものです。
コメントフォローで長々と説明するよりも、文章で見せた方が視聴者に伝わりやすい場合に使うと有効なテロップです。
例えば、富士山を紹介するコメントフォローで
「富士山は標高3776mあって、静岡県と山梨県あります。日本で一番高い山なんです!」
となるところを、
「富士山:標高=3776m / 場所=静岡県・山梨県」
と説明テロップにしてしまえば、文章量も減り、見ている側も欲しい情報だけ目に入るようになります。
つまり、要約された文章を見せる役目が「説明テロップ」となります。
3. 「イメージ」テロップ
YouTubeの動画ではあまり見かけませんが、テレビ番組ではよく使われるテロップです。
このテロップは、どちらかというと「映像の飾り」になります。
例えば、大自然に囲まれたキレイな滝の映像に
「“神秘の泉”」や「“大自然の恵ー”」など…見せたい映像を彩ったり、
一目でその映像のイメージを膨らませる効果があります。
このイメージテロップも「説明スーパー」同様、コメントフォローをわざわざ作らずに
短い文章で視聴者に伝えたいものを伝えやすい手法になります。
4. フレーム
「フレーム(画面の枠)」も“テロップ”に集約されているものです。
フレームはよく、「オープニング」「場面の転換」「過去の収録映像」など、
“今見ている映像と違うニュアンスで見てください”という時に使う事が多いです。
フレーム有り無しで、見栄えも変わるので、あると便利なアイテムです。
まとめ
「テロップ」の目的と種類を解説してきましたが、思っているよりたくさん意味があるものだと感じられたはずです。
テロップは、撮った映像をよりパワーアップさせ、時には全く別物になるくらい自由度の高い編集アイテムです。
面倒だと思いがちな作業でもやり方次第で、楽に、視聴者により伝わりやすい編集が可能になります。
後編では、テロップの種類ごとの使い方とコツを記述していきます!
テレビ番組編集で学んだ“編集の基礎”をまとめた記事#1〜3を読んでいない方は、
ぜひ読んで参考にしてみてください!
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